2005年5月7日

一本の電話で考えたこと

 先日、鳩山ニュータウン住民の方から電話をいただきました。その前にもあったようですが、名前を名乗らなかったのと電話番号を教えてもらってないので連絡の仕様がありませんでした。用件は、町が広報した「有害鳥獣駆除」について、鳥を撃ち殺すのは良くない、ハンターの道楽に手を貸すのは良くない、それでなくとも鳩山は鳥の姿をあまり見ることが出来ない、以前住んでいたところはたくさんいた、などと訴えてきました。この訴えで私が気になったのは「役場に電話したら、農家の被害の届けがあるので猟友会に駆除をお願いしていると言う回答でした。被害といったってわずかなものだと思う。少しぐらいならいいでしょう?」という点でした。私も保護団体の端くれですから、同調したいところですけど、いささか乱暴すぎます。鳥を大切に考えたいあまりの発言だと思いますが、一方的すぎます。「鳥獣保護」の問題は、私たちの活動にも関連するので、これまでのいきさつを伝えました。農家の野菜の被害は事実であり、当局に何とかしてほしいというのも当然だと思う。ただ、いきなり銃による駆除は問題の解決にはならないので、その前にやるべき事があるのではないかということで、今から10年以上前、町と共催で「鳥害」についての講演会を開催したことがある。まず、きちんとした被害調査を実施し、それを元に近隣市町村と対策を考える必要がある。鳥は飛んで移動するので、一行政の枠でおこなっても効果は期待できない。私たちは、この地域の人も自然も共に仲良くやっていきたいと望んでいるので、農家の人だけにガマンしなさいとは言えませんと答えました。そして、一緒に考えてもよいですよと伝えておきました。その後電話がありませんのでどのように理解したか不明ですが、ちょっと考えさせられました。私たちは、基本的には保護側から発言します。そのときに一番大切なのは相手の主張に耳を傾けるということと、立場を思いやるということ。そのあたりの基本線をきちんとしておかないと、バランスの取れた判断が出来なくなります。
 電話に耳を傾けながら、私たちの活動が、いろいろな立場の人に一方的に我慢を強いていることはないか、とても気になって仕方ありませんでした。

(コゲラ通信2005年3月号表紙より)

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