2005年4月10日

圏央道、成果の第一歩

  4月3日付の読売新聞が「圏央道・サシバ生息地にネット/今秋にも野鳥保護策、初の着工」の見出し付きで報じていました。去る3月15日に開催された第8回埼玉圏央道オオタカ等保護対策検討委員会の結果をふまえてのものでした。埼玉圏央道は、都県境-鶴ヶ島ジャンクション間(19.8キロ)がすでに開通しており、同ジャンクションから茨城県境(38.6キロ)の事業が進められています。その区間にサシバを含めたオオタカの生息地があり、そのうちのサシバに関して国土交通省大宮国道事務所から提案された保護対策が了承され、この秋から工事が着工することになった、というものです。

  この件に関しては、折に触れコゲラ通信などを通じて会員の皆さんにはお知らせしていますが、サシバに関しては一定の保護対策が決定したことで新たな段階に進んだことになります。鳩山野鳥の会の提案が「一定の保護対策」の原動力になっていますので、その説明をしておきたいと思います。



  圏央道建設に当たっては、その公共性と経緯から建設そのものには反対しない立場で、オオタカ等(この場合はサシバ)との共生を作り出すことを基本スタンスにしてきました。方針としては①圏央道建設はサシバの生息地を分断する形になるので、重要地域(営巣林周辺)ではシェルター(覆い)を設置し、採餌行動を行うなど、生息に直接関連し影響を与えるところでは遮光、防音を目的としたパネルの設置をする。②営巣地周辺ではこれまでさまざまな種類の野鳥が観察されるなど、すぐれた自然環境であることが分かっておりその保全が急務である。また人の生活環境と近接していることもあり、人と自然がうまく折り合っていくためのモデルケースとして対策を講じるべきである。その点から関係機関が連携し、環境保全及び活用について協議・推進していく機関を設置してもらいたい。などを主張してきました。今回の決定は、そのうちの「営巣林を通過する部分に関して覆い(ネット)をする」ということです。パネルの問題、協議機関の設置の問題はこれからの課題です。

  検討委員会で意見を述べ、それが保護対策に反映されるためには、主張の「裏付け」が必要です。基本資料は大宮国道事務所が用意しますが、どうしても事業者側に有利な展開になる可能性があります。ただ、サシバに関しては発足当時は事業者側のデータはなく、我々の調査記録が唯一の検討資料ということがありました。さすがにこの2年、立派な調査記録を提示するようになりました。それに基づいて事業者が対策を提案してくるわけですが、我々自身も調査記録を持つことによって公正な協議が出来るようになっていることは事実です。その裏付けがあったために今回の「サシバ生息地にネット」という対策につながっていったと考えます。

  私は第2回検討委員会からの参加でした。高名な研究者、活動家、鳥の世界の権威が集まった委員の中で、地域の声を述べるという役割は結構緊張を強いられます。唯一の頼りはオオタカ班の仲間が集めてくれた調査記録です。やはり、小さい力でも寄せ集めれば大きな声になります。そんなことを感じながら、更に意見を述べていくつもりです。

カテゴリー: さまざまな活動 
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