2005年5月25日

「佐渡トキ保護センター」で・・・

  佐渡へ会社の旅行で出かけました。小さい会社なので、割合きめの細かい旅行が楽しめました。しかし、これは余談になるので割愛します。トキについてひとこと報告報告することにしましょう。


 日本産トキ(ニッポニア・ニッポン)・キン(♀)が亡くなったのは2003年の10月10日のことでした。新聞等で報道されましたので、皆さんもご存じだろうと思います。大変残念なことですが、それまでに中国産のトキが日本にやってきて、人工飼育で順調に数を増やしてきました。
  しかし、ニッポニア・ニッポンが、地上から姿を消してしまったことは事実ですし、ひとつの「種」が自然の状態を含めて途絶えてしまったことも事実です。「どうにかならなかったのか」と思うのは私だけではないでしょう。佐渡市の新穂というところに、「トキの森公園」というところがあって立派な「トキ保護センター」があります。資料館、繁殖ゲージ、育雛ゲージ、管理棟、検疫棟など、至れり尽くせり超豪華版であることが分かります。

  このような立派な施設が出来たのが、平成5年。ニッポニア・ニッポンの自力繁殖が難しいことが分かってきて、「このままではニッポニア・ニッポンが絶滅してしまう」という危機感が日本国中に知られていったときと時が重なり合います。つまり、トキという鳥を絶滅から救い出そうという世論が巻き起こり、日本国中から救いの手がさしのべられ、財源的にも立派な保護体制が整ったわけで、それが現在の「保護センター」となって実現しました。
  しかし、昭和56年、野生のトキをすべて捕獲し、収容したときのことを考える必要があります。あのときは、「野生での繁殖は見込めない。今後は人工孵化で種の保存と、野生化の道を探っていく」という方針の元に捕獲作戦が採られました。自然のままではトキは生きていけないと言う判断があったわけで、さらにその後、人工繁殖も困難という状況になってきました。しかし、その段階でいくら立派な施設を作っても、施設そのものは、本来の目的からはずれてしまうことになります。種の保存・維持という解答を出そうということなら、もっともっと以前に何らかの手を打つべきだったのではないか。佐渡トキ保護センターがここまで充実するのに至る道のりが、関係者にとってどれほどの困難で骨のある仕事であったか、それが十分理解できても、それでも「何とかならなかったのか」と、思ってしまうのです。
  もし、この絶滅の教訓を、これからの「絶滅の恐れのある種」の保存に生かしていこうとするなら、目の前に大きな緊急課題があります。イヌワシです。イヌワシは、全国で約150ペア(合計400羽程度)しか生息していないとされています。繁殖率は20%を切ったということで「トキの運命を既にたどりつつある」との声もあります。

  立派な保護センターが出来て、ひとつの問題はクリアーしたとしても、日本産のトキが絶えたことは事実です。再び、こういう問題が起きないようにするにはどうしたらよいのでしょう。そんなことを考えてしまった佐渡旅行でした。

カテゴリー: 本誌コゲラ通信より 
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